この度、モスクワ市近代美術館の所蔵品により、20世紀前半にロシアで発祥した、前衛的な芸術運動「ロシアアヴァンギャルド」の絵画作品をご紹介いたします。
20世紀初頭のロシアは、来るべき1917年の革命を前に、それまでのロマノフ王朝の帝政を否定し、 新しいユートピアを求める機運に満ちていました。芸術の分野においても同様に、旧いアカデミスムから脱却し、新しい前衛的な芸術を追求するアーティストが輩出されたのです。「ロシアアヴァンギャルド」と言われるこれら前衛芸術運動は、美術のみならず、文学、音楽、建築、演劇、デザインなど、様々な芸術分野に及び、それぞれに開花しました。
モスクワ市近代美術館には、20世紀前半に活躍し、「ロシアアヴァンギャルド」の中心的な役割を果たしたアーティストの作品が揃っています。カジミール・マレーヴィチ、ナターリア・ゴンチャローヴァ、ミハイル・ラリオーノフ、アレクサンドル・ロドチェンコ、アレクサンドラ・エクステルなど錚々たるアーティストの作品群により、西欧との影響を関係を保ちつつも、20世紀前半に独自の近代絵画を形成し、発展させた20世紀ロシア美術の流れを追うことができます。
モスクワ市近代美術館は1999年12月に開館した新しい美術館です。初代館長を努めたグルジア出身の彫刻家、ズラープ・ツェレテーリ氏がモスクワ市に寄贈した個人の所蔵品が、美術館コレクションの基礎となり、現在に至るまで拡充がはかられています。本展覧会は、モスクワ市近代美術館の所蔵品がまとまって紹介される日本で初めての展覧会であります。
また、同美術館には、グルジアの画家、ニコ・ピロスマニの作品の充実したコレクションがあります。 独学で絵を学び、素朴な画風で動物や居酒屋の看板などを描いていたピロスマニは、後に、その「プリミティブ」な絵画へのアプローチがゴンチャロヴァやブルリュークなど、ロシアアヴァンギャルドの画家たちに高く評価されるようになります。この度、これまでに日本で紹介される機会の無かった素朴派の画家、ピロスマニを合わせて紹介します。
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[会期・会場]
2008年6月21日~8月17日
Bunkamuraザ・ミュージアム
主催:Bunkamura、朝日新聞社
2008年9月25日~11月3日
サントリーミュージアム天保山
主催:サントリーミュージアム天保山、
朝日新聞社
2008年11月11日~12月25日
岐阜県美術館 主催:岐阜県美術館、
中日新聞社
2009年2月7日~3月22日
埼玉県立近代美術館
主催:埼玉県立近代美術館、朝日新聞社
[全会場共通]
後援:ロシア連邦大使館、
ロシア国際文化科学協力センター
協賛:日本航空
企画協力:株式会社アートインプレッション
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